Gold Column
金(ゴールド)にまつわるお話:
ビール暗号の謎
1885年、アメリカで「ビ-ル・ペーパー」というタイトルの小冊子が発行され、ここである暗号文が紹介されました。 この暗号文は「ビール暗号」と呼ばれています。
託された暗号
ビール暗号はもともと、1820年代にトーマス・ジェファーソン・ビールという宿泊客から、宿の主人ウィリアム・モリスが預かったものでした。
ビールは、自分が戻らなくても数年間は開封しないようにと伝え、ビール暗号の入った箱をモリスに預け、
その後結局宿に戻ってくることはなかったそうです。
そして数十年が経ったあるとき、モリスが箱を開けてみると、数字だけがびっしりと並んだ3枚の暗号文とモリスへの手紙が入っており、手紙によるとこの暗号文には隠した財宝のことが書かれているとのことでした。
モリス自身は長い年月をかけてもこの暗号を解くことができませんでしたが、この秘密を託された友人の手によって2枚目だけが解読されました。そこに現れたのは、次のような内容でした。
“私はビューフォードから4マイルほどのベッドフォード郡の地下6フィートの採掘抗に宝物を埋めた。
3枚目の暗号文は共同所有者の名を記したものだ。最初に隠したのは1014ポンドの金、3812ポンドの銀で、時期は1819年11月。2回目に隠したのは1821年12月で、1907ポンドの金と1288ポンドの銀、それからセントルイスで輸送費を節約するために銀と交換した1万3000ドル相当の宝石だ。財宝は鉄の容器に詰め、鉄の蓋をしてある。採掘坑は大雑把に石で補強されているが、容器は硬い石の上に置き、さらに石で覆い隠してある。
1枚目の暗号は貯蔵庫の正確な場所を示しているので見つけるのは難しくないだろう。”
引用:絶対に見られない世界の秘宝99/日経ナショナルジオグラフィック社
これは前述のように発行された「ビール・ペーパー」で紹介され大きな反響がありました。
しかし、財宝の在りかが書かれた1枚目と、財宝の正当な権利者の書かれた3枚目は現在もなお解読されていないのだそうです。
暗号解読の手がかり
2枚目の暗号の鍵となったのは、アメリカの独立宣言の文章でした。
暗号の各数字が独立宣言の単語を示しており、その単語の頭文字をつなげることで上記の解読文が現れるのだそうです。
そこまでわかっていても1枚目と3枚目が解読できないということは、これらはそれぞれ独立宣言とはまた違う鍵が何かあるのでしょうね。
ちなみに1枚目と3枚目は、英語の文に基づいて作られたものではないと言われているそうです。
こういうの、解いてみたくてわくわくしちゃうのは私だけでしょうか?
なお、インターネットで検索するとビール暗号の全文を1枚目から3枚目までそれぞれ見ることができますので、
興味のある方はぜひ解読に挑戦してみてくださいね。
参照文献
『絶対に見られない世界の秘宝99』
日経ナショナルジオグラフィック社
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