Gold Column
ゴールドの特性(デザインと加工について)
リングの素材としてゴールドを選ぶ上で、デザインや加工についての参考にしておきたいポイントをおさえておきましょう。
ゴールド全般においてのポイント
ゴールドを使用する場合、いちばんの魅力となってくるのは、ピンクゴールドやイエローゴールド、
ホワイトゴールドなどという風に色のバリエーションが豊富なことです。
また、宝石を組み合わせる場合は、宝石の石色とゴールドの色とのコンビネーション、さらにそれぞれの輝きや色、
大きさなどのバランスを考慮することも、デザインを決める上で重要となってきます。
加工の面においては、純金(K24)のままでは軟らかすぎてジュエリーに向かないのですが、圧倒的にジュエリーに使用されていて、
カラーゴールドとしてさまざまな色も楽しめるK18ゴールドは非常に硬く、加工に手間がかかる素材です。
K24ゴールドとK18ゴールドでは、ゴールドの割合は3/4に減るだけなのに硬さは3倍以上となり、
主な貴金属の硬さと比べてもK18ゴールドは群を抜いて硬い金属なのです。
逆にいうと、K18ゴールドは他の貴金属よりも傷つきにくいということですね。
カラーゴールドの個性
カラーゴールドは先ほど「非常に硬い」(K18ゴールド)とご紹介しましたが、同じK18ゴールドでも色が違う(=金と混ぜている金属の種類や割合が違う)と硬さもそれぞれ変わってきます。
たとえば、いちばん新しく登場したカラーゴールドであり、人気のあるピンクゴールドは、ほかのゴールドと比べると硬く割れやすくなっています。
また、K18グリーンゴールドは、K24ゴールドに純銀と銅を混ぜてつくる上で、純銀と銅それぞれの比率が10対0と、 銅を加えないパターンがもっとも美しいとされています。 しかし、この比率でつくったグリーンゴールドは軟らかすぎるため、少しだけ銅を加えることが多いようです。
このように、一口にゴールドと言っても、色や純度の違いによって印象や適した加工が変わってきます。
リングの色と宝石の組み合わせにこだわってみたり、ゴールドの加工やデザインに凝ってみたり。
ゴールドの特性を活かして、世界にひとつだけの素敵なリングをつくってくださいね。
参照文献
『ジュエリー技法講座6 ジュエリーデザイン制作辞典』
美術出版社
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