Gold Column
古代ギリシアの
金(ゴールド)と装飾品のお話
紀元前一千年紀からはじまる古代ギリシアの歴史。
ギリシアでは金(ゴールド)はどのように扱われ、どういった装飾品があったのでしょうか。
コインのはじまり
古代ギリシアは、小アジアに次いで貨幣が普及した地でした。これらの国は貿易も盛んではありましたが、
貨幣が最初に広まったのは小アジアの王国からギリシア人の傭兵に対する支払いのための便宜からだったとも言われているそうです。
とはいえ、貨幣に使用されたのはもっぱら銀か、エレクトロンと呼ばれる自然状態で発見される金(ゴールド)と銀の合金だったようです。
純粋な金貨がつくられたのはそれからしばらく経ってのことでした。
“はじめに流通した貨幣が銀貨であったことは、金の扱いに関してある暗示を与えてくれる。
金ではなく銀が流通したということは、金が当時まだ別の目的のために温存されていたことを意味する。
実際、当時にあって、金が宗教的な用具として、婦人や貴人の装身具として、
神官や国王の神聖なる表象として使われたことは、それ以前の時代と同じであった。”
引用:黄金の世界史/講談社
やはりいつの時代も、光り輝く金(ゴールド)は特別な存在なのですね。
繊細で豪勢な技法を凝らした
ギリシアの装飾品
古代ギリシアの装飾品は、主に女性向けのもので、男性のものは権力の象徴となるものでした。
素材には金(ゴールド)や銀が多く使われましたが、こうした貴金属は希少であったため、紀元前4世紀のヘレニズム期以前は使用が制限されていました。
そのため、金属の量が少なくて済むような加工をした装飾品が多かったようです。
アイテムとしては頭飾り、耳飾り、首飾り、腕輪(アームレット)、指輪などがありました。
頭飾りにおいては、ギリシア人は髪形にこだわりをもっていたようで、帽子のようなかぶりものは少なく、ティアラやヘアバンドなどの髪飾りが多かったようです。
モチーフには月桂樹などの植物や人物、神話の動物などが用いられ、ヘレニズム期には「ヘラクレスの結び目」というデザインが人気を集めていたそうです。
神話の息づくギリシアならではですね。
参照文献
『黄金の世界史』/講談社
『図解 装飾品』/新紀元社
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